KiCadで自作タブレットPCの設計にチャレンジして感じた4つのこと

タイトルの通りです. KiCadを使って自作タブレットPCの設計にチャレンジしています.

https://github.com/masahirosuzuka/GameChanger

設計はほぼ完了したので感じたこと,思ったことを共有したいと思います.

今年のGugenはいただきかな(笑)

(1)KiCadはオープンソースEDAのなかではダントツ

KiCadの完成度はOSS EDAの中ではダントツです.EDAは人によって解釈もあるでしょうが回路図CAD,基板CAD.その他の機能を統合したものと考えていいです.

回路図CAD単体としてはKiCadよりも完成度の高いものもあるのですが完成度の高い回路図CADと基板CADを両方備えているものはちょっと見当たらない.現状では他に選択肢はないと考えていいでしょう.Eagleも素晴らしいですがあれはOSSではないので.

(2)超高速回路の設計も視野にいれて設計されている

「実験的な機能」とされていますがマイクロウェーブアプリケーション(超高速回路)ツールバーが既に実装されています.

ここでいう超高速回路はクロックがGHzを超えるものです.今回採用したDDR3SDRAMデータレート800MHzなので準超高速回路くらいですかね?

等長配線関連の機能が現時点ではないですがそれは今後に期待.

(3)電源まわりが貧弱

ここからややネガティブなはなしになっていきます.
最近のチップはかなりの数の電源を要求します.これは今回の基板の電源一覧です.

SYS_5V = 5V, 3V3A = 3.3V, 3V3B = 3.3V, VDD_APP = 1.8V, VDD_DDR = 1.35V, VDD_MPU = 1.1V, *VDD_CORE = 1.1V,

KiCadは電源コンポーネント機能を備えています.しかしこの電源コンポーネントを基板CADから回路図CADに持ってくると全てボルト数で表されてしまうのです.

VDD_MPUとVDD_COREは同じ1.1Vですが同じになったのは偶然で全くの別電源です.しかしKiCadではVDD_MPUとVDD_COREの区別がつかなくなってしまう.これはかなり悩まされました.

(4)諸機能が実質的に別アプリなのが違和感

これは1に挙げたものと絡んできます.KiCadを起動してみるとまずプロジェクト管理ツールが起動します.

これはIDEでいうプロジェクトエクスプローラにあたるものでここから回路図CADや基板CADを起動します.と…ここで違和感.これ実質別アプリじゃん.別アプリだからこそ堅牢製が高いなどがあるでしょうが正直いまでも違和感があります.内部の実装はこのままで見た目だけOrCADやAltiumみたいにできないものでしょうか?